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  ・ハロゲンランプの特性

ハロゲンランプをヒーターとして使用した場合に「ランプヒーター」と呼んでいます。基本的に照明用ハロゲンランプとの差はありません。ハロゲンランプはタングステン製フィラメントに通電してそれを高温にし、そこから放射される光(波長は近赤外域〜可視域の電磁波)を利用するものです。

可視域の光に変換する効率は10%以下と非常に効率が悪いのですが、赤外域の光を含めた全電磁波に変換する効率は90%前後となり、非常に効率の良い加熱手段となります。

ただし、総合的な熱効率を考える場合にはランプから放射された光を目的の加熱対象にいかに集中させるか、という効率に加え、その加熱対象が照射された光の内の何%を吸収するか(吸収率)が重要となります。

ハロゲンランプは電圧を変化させると各種の特性が変化します。最も大きく変化するのは寿命であり、電圧を10%下げると寿命は約3倍になります。

ランプ寿命はフィラメントの温度(色温度)でほぼ決定されます。
3000Kで約1000時間であり、3200Kで200〜300時間となります。温度が3000Kより大幅に低い時の寿命は計算上極端に長くなりますが、フィラメントの計算寿命が長くなっても各種の要因でランプとしての寿命は計算通りにはなりません。
一応の目安として2600Kで5000時間、2200Kで2万時間程度の値が採用されています。

ランプの寿命を制限するものはフィラメント温度だけではありません。シール部温度が高い場合にはこれがランプ寿命を決定する要因になります(下図参照)。
ランプ寿命が2000時間程度の場合、シール部温度が350℃以下であれば、この部分の耐熱が寿命を制限する要因にはなりません。350℃以上の場合、2000時間以内でシール部が破損して使用不能となります。


電圧の変化における諸特性、変動特性表
電圧[%] 電力[%] 光束[%] 効率[%] 色温度[%]
 120 133 186 131 107
 115 125 161 123 105
 110 116 138 115 103
 105 108 118 107 102
100 100 100 100 100
95 92 84 93 98
90 85 70 86 96
80 70 47 72 93
70 57 30 59 88
60 45 18 47 84
 50 33 10 36 78






   








 


 
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